この本のあとがきにも何冊か紹介を書きましたが、
槍の解像度を上げたいな〜とクー・フーリンの原典ネタについて色々読んでみたので
そのまとめです。
歴史書や専門書をちゃんと読む知識のない人間が趣味と好みだけで感想メモを書いています。
同人サイトなのでリンクも貼っていません。
ちゃんとした内容としては各書籍のレビューを参考にしてください。
著者名、翻訳者名は敬称略です。
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このページは男男カプの二次創作同人誌を描くオタクが書いています。
自分用メモ+フォロワーさんに紹介できれば、くらいの気持ちで書いたので
自分の同人誌のことなども好きに書いており、配慮は何もしていません。
拡散やアクセスを増やす目的のブログではなく引きこもっていたい個人サイトなので
趣味の活動の面についてはそっとしておいて下さると幸いです。
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「炎の戦士クーフリン/黄金の戦士フィン・マックール―」
著者:サトクリフ・ローズマリー
翻訳:灰島 かり/金原 瑞人/久慈 美貴
最初に読んだやつ。「サトクリフ版」と呼ばれてるらしい。
多分日本で読むなら一番有名なクーフリン原典本かも。
タイトル通りフィンの時代の話が後半にありますが、元々は2冊別だったものをまとめた本のようです。
クー・フリンの初めから終わりまでの物語といった感じで、セタンタ時代から書かれてます。
で、そのアルスターの猛犬の物語が終わるという最後の一文が本当に良くて、
「この先の物語がサーヴァントの槍なんだ…」と脳内で噛み締めていました。
本文は名作児童文学を読んでるようでとても読みやすかったです。何より描写が美しくて心地よい。
どの本にも出てくるので大元の原典からそうなのだろうと思いますが、
クー・フリンの美しさを表現する言葉が翻訳の仕方としても本当に美しいです。
またドルイドから与えられた短命の予言に関しての書き方はこの本の言葉が一番好きで、
同人誌のタイトル「暁のヒルガオ」はこれから拝借しています。
(命の短さを朝に咲いて昼には萎むヒルガオに準えているので、
「暁=夜明け前=もう咲き終わったヒルガオ」をイメージしたタイトルでした。)
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「トーイン クアルンゲの牛捕り」
著者:キアラン・カーソン
翻訳: 栩木 伸明
復刻した時にFGO公式とコラボして帯に槍とメイヴちゃんが書かれていた本。
帯の通り「クアルンゲの牛捕り」=メイヴちゃん率いるコノートとの戦争を重点的に書かれてます。
古代アイルランド語→英訳→翻訳された本らしく、
文章の言い回しがサトクリフ版より古めかしいというか、詩で会話し合うシーンなども多く
より原語に近いなのかなと感じる表現がされている印象でした。
(なんとなく指輪物語を思い出す言い回しというか…持ってる古い物語の知識がこれなので…)
サトクリフ版は美しい言葉を選んで紡いでいる印象なのに対し、こちらは当時の戦いの激しさを描いている印象。
クー・フリンの物語を扱った中で戦いの描写が激しめで血生臭さが一番感じた本でした。
兎に角格好いい。
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「トーィン クアルンゲの牛捕りとクーフリンの物語」
著者:コルマーン・オラハリー
挿絵: バリー・レイノルズ
翻訳:フューシャ
トーインとほぼ同じタイトルだけどこっちは小説ではなく薄いフルカラーのコミック。
アメコミとかバンドシネみたいな漫画本で、印刷の感じも同人誌(自費出版)ぽい本です。
小説にはどのようなケルトの戦士が煌びやかな装飾を身につけてるかを事細かに書かれてますが、
これまでの2冊には挿絵的なものは全くなかったので、
絵的な表現が見てみたいな〜と思ってこちらを読みました。
ページ数は少なめで牛獲りを短くまとめた美しいくも血生臭い絵の本。
でもバンドシネっぽいおしゃれな絵柄なのでグロさはないです。
例のダブリン中央郵便局にある有名なクー・フーリンの死の姿の絵があったのが良かった。
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「ムルセヴネのクー・フーリン」
著者:グレゴリー夫人
翻訳:ケイロカミオカ
恐らく電子書籍のみの出版なのかな…?私はKindleで読みました。
全5巻で表紙イラストが現代的。こちらもセタンタ時代から。
「物語」としての言い回しや文章の描写が細かいサトクリフ版や「トーイン」に対し、
こちらは「出来事」の描写が細かかった印象。淡々としているというか、
戦闘や情愛周りの描写は割とサラッとめに感じました。
毎章ごとに単語の説明やコラムで解説を入れてて、これがめちゃ良かったです。
特にドルイドの立場についてやケルト戦士における名誉についての話が面白い。
私はこの中でも「名誉の価値」のコラムがすごく好きです。
翻訳者さんもあとがきに「物語として読めてかつケルト神話創作の参考資料になれば」と書かれているので、
割と最近に発行されたのもあってそういう差別化がされているかも。
あと翻訳者さんが近年の日本で馴染みがある言葉を選んで(そもそもFGOをご存知らしいので)
意図的に作中通して日本のゲーム・アニメ文化でよく使われる
「クー・フーリン」「ゲイボルク」表記をされています。
>>追記
翻訳者のケイロカミオカ氏のBOOTHに
「グルアズ・グリアンショルスの追跡~クーフーリンのアフリカ冒険譚~」というタイトルで
1本お話がPDFで頒布されていたのでそちらも読みました!
17世紀に書かれたテキストを元にしてる、とあったのでなんとなく本編のムルヴネ〜に対して
番外編みたいな楽しみ方をさせてもらったけど、
「一度クー・フーリンの保護下に置かれた者は離れる時に必ず無傷でなければならない」
のゲッシュとか出てきてかっこよすぎた さくっと読めて面白かったです。
こういうまだ日本じゃ手軽に読めない逸話や物語がまだきっとたくさんあって、
そのどれもがクー・フーリンの英霊の座に「人々が愛した伝承」として記録されているんだなって思うと
物語の英雄が長きにわたって愛されて、時と共に少し忘れられて、
また誰かによって拾い上げられる みたいなのがいいね。
また上記に書いた本編(?)の「ムルセヴネのクー・フーリン」を電子書籍のみっぽいと書きましたが、
Amazonペーパーブック版、という物理本があったのでそちらも入手してみました。
購入のたびにAmazonがオンデマンド印刷してくれるやつシステム?
B5というサイズ感なのもあってど、同人誌でっかアンソロっぽい〜!となりました。
こっちもまた楽しませてもらいます。物理であるとオタクは嬉しい!
>>ここから「クー・フーリンの物語」以外の本
「ケルト 再生の思想ーーハロウィンからの生命循環」
著者:鶴岡 真弓
ケルト神話の物語ではなく、ケルト文化における死生観や四季についての話。
ハロウィン(サウィン)が本来どういう祭事なのかが分かりやすかったです。
ケルトにおける四季がどういうものかを丁寧に書いてくれているので、
これ読んでからクーフリンの物語を読み返すとちょっと解像度上がります。
ドルイドがどういう存在なのかについても多めにあり。助かる。
私は読み慣れてないのでこういう文献的というか「物語小説」以外の本を読むのが苦手なんですが、
その手の本の中ではケルト関連はこれは一番面白かったかも。
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「図解 ケルト神話」
著者:池上良太
タイトル通りケルト神話関連の図鑑。
神話での登場人物ごとに解説のページがあり、
相関図や勢力図・用語などについての解説がイラストで載ってる図鑑。
Kindle版だとその関連項目がリンクになってて便利。
イラストはシンプルで学習図鑑っぽい絵柄ですが、当時の衣装や装飾品も描かれていて、
最初に買った絵的な資料なのもあって参考になりました。
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「ケルトの解剖図鑑」
著者:原聖
古代から現代にかけてのケルト・アイルランドの土地や文化についてのイラストでの図鑑。
「図解 ケルト神話」はケルト神話を読む時に便利な図鑑に対して、
こっちは「ケルトとは、ケルト人とは」という文化面の方が強め。
現代におけるケルト文化や民族的な背景についても触れらています。
各項目がイラストや図を多く使って2ページぐらいでざっくり語られているので、
他の本で難しい…となってた部分が分かりやすく読めました。
神話回りにも触れられてますが、アルスター伝説よりもアーサー王伝説関連の方ページは多め。
特に歴史的な話や地理的な話は知識の土台がない私は目が滑る…となっていたので
イラストが現代的な手書き風の挿絵でデザインも見やすいので、初心者に優しい本です。
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「ケルト辞典」
著者:ベルンハルト・ハイマー
翻訳:平島直一郎
監修:鶴岡真弓
上の2冊と違って本当に辞典。広辞苑みたいなやつ。
そのまんま辞典なので、横に置いて辞典を引く以外に
授業中にやる辞典の読み方(気になる単語パラパラ見るやつ)してると
他の本で読んだことないネタが出てきてこれ興味ある〜〜ってなる楽しみ方ができます。不純。
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一応読んだ本たち
・ケルトの世界 ー神話と歴史のあいだ
・ケルトの神話 ー女神と英雄と妖精と
・ケルトの想像力
あとはここは同人サイトなのでリンクは貼りませんが
「ケルト神話翻訳マン」さんのNoteも楽しく読ませていただきました。
ムルセグネのクー・フーリンで監修もされていた方らしいです。
セタンタの名前についての話が面白くて興味深いのでオススメです。
本は基本フィクションの小説しか読まないので、
文献を読み漁るとかそれを資料として論文的なものを出力するとかは苦手で
創作するにあたって美味しいネタないかな〜と解釈も創作的に美味しいとこだけ好き勝手つまんでる感じです。
なので私が描いてる物が色々事実と違ってもケルトの研究とかしてるわけじゃないので多めに見てください。
(この記事自体は2年前くらいに書き始めてたんですが、やっと出したかった本が出せたので手直ししました。)
原典本読んでからホロアタの槍の話を見返すと、
あーーあの話〜〜!っとなれたのが一番楽しかったところ
fate世界と設定が異なるのは承知ですが(書き出して比べたりしてました)、
「英霊」としてはこれらの本の内容も槍に反映されてるとも思えるので、
読めば読むほど推しカプの攻め、格好よすぎるな…と噛み締められて良かったです。
何か読んだらまた増やします。
あとおすすめがあれば教えてください!
はじ/wavebox (なにかございましたら)